8.バイオコンジュゲートを空間的に固定化したインテリジェントゲルの創製

  高分子ゲルへの生理活性物質の固定化は数多く報告されています。その多くは、生理活性物質と高分子ゲルとの分子間相互作用を利用したものであり、生理活性物質の機能発現において重要な界面が直接、高分子ゲルを構成する高分子鎖と接するために。その機能が低下することが懸念されます。この問題を克服するために、高分子ゲルへ固定化する前に、水溶性高分子などによる化学修飾で生理活性物質の安定化を行い、機能発現に重要な界面を保護した状態で高分子ゲルへの固定化を行うことによって、生理活性物質の機能を損なうことなく固定化する方法について検討を行っています。






9.新規な分子骨格を有するポリカチオンベクターの設計

  遺伝子治療の実現においては、治療用遺伝子の運搬体(ベクター)の開発は不可欠なものであり、さまざまなカチオン性物質を利用する研究が行われています。in vivo法での利用を目的とした場合、血中安定性、標的指向性、細胞内移行能などさまざまな機能を兼ね備える必要があります。そこで、種々機能を効果的に発現するために新規な分子骨格を有するカチオン性高分子を分子設計し、その合成から研究を行っています。