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異分野融合による次世代バイ・Iマテリアルの創製

  医療技術の発展は人が健康で安心して生活していくためには不可欠です。児島研究室では、革新的な医療技術の発展のための次世代機能性バイオマテリアルの作製を目指して日々研究に取り組んでいます。
  児島は、高分子材料科学と分子生物学に関する研究背景をもっています。そこで、それぞれの研究背景を元に2つのアプローチによって、次世代機能性バイオマテリアルの作製を目指しています(図1)。このような研究は異分野融合が不可欠であり、物理、マテリアル、生物、医学など様々な分野の研究室との共同研究により、研究を進めています。

次世代バイオマテリアル創製のためのアプローチ

図1 次世代バイオマテリアル創製のためのアプローチ

 

 1.高分子材料科学からのアプローチ

  細胞は70%の水と30%の化合物から構成されています。30%の化合物のうち、18%は蛋白質で、細胞内で様々な機能を果たしています。生体高分子である蛋白質は規則的に折りたたまれた高次構造をもっているのに対して、人工的な合成高分子では一般的に分子量や構造制御が難しいのが現状です。機能性バイオマテリアルを分子設計する上で、構造を制御できる高分子が有用であると考えられます。
 デンドリマーは合成高分子でありながら、分子量や構造を制御できる特徴的な高分子です。その大きな利点としては、表面に集積している多数の反応性官能基と低分子を保持できる内部空間です(図2)。このようなデンドリマーの特徴を生かすことで、機能性バイオマテリアルの作製を目指しています。

デンドリマーの構造と機能

図2 デンドリマーの構造と機能

→詳しくは、デンドリマー刺激応答性高分子材料のページへ。

 

 2.分子生物学からのアプローチ

  日本の三大死因は、癌、心疾患、脳血管疾患と言われています。その中でも癌は年々増加傾向にあり、団塊の世代が癌好発年齢を迎える2015年には、20人に1人が癌になるという試算もなされています。したがって、癌治療のための医療材料の研究は非常に重要な研究課題です。
  これまでに癌に関連する様々な研究がなされてきました。そして、癌に特有の性質やその分子メカニズムが明らかになってきています。そのような癌で見られる分子メカニズムに基づいて、機能性バイオマテリアルの作製も試みています。

→詳しくは、機能性コラーゲンのページへ。